ここ数日、男は苛立っていた。
人が苛立つことにそれほどの深い意味はないのだが、
彼にとってはそれでも重大なことなのだ。

彼は彼女に自分の取った写真を送ってみた。
特別顔が良いわけではない。
自分をもっと知ってもらいたいが為に。
彼女の反応は良かった。
いや、誰であっても良いであろうと判っていた。

次に日からメールが止まった。
突然に。
男のメールにはいつもと同じような内容の文。
特に嫌われる理由など一つもなかった。
送った写真を除いては。
それが何を意味するのか、想像することは難しくない。
彼はこみ上げる感情を抑え、冷静に、彼女に聞いた。
「なぜメールを送ってくれないのか。
 もう僕の事は嫌いになってしまったのか?」
一文字一文字、緊張が走る。
案外、メールは早く帰ってきた。
なんのことはない。
彼女が送り忘れただけだった。
男の中に安心にも怒りにも似た感情がこみ上げた。
誰に向けたものでもなく、
誰かに向けられたものでもなく、
ただただ彼の心の中に浮かんで消えた。

終わったはずの恋が続く。
この物語は、終わらない。

無意味なGW

2005年5月4日 恋愛
日本ではGWとはしゃいでいてもアメリカでは平日だ。
彼らにとっては休みであってもなくても金銭面の問題もある中、
何を楽しんでいられよう。
1日に1,2通程度のメールのやり取り。
電話もできない。
体に触れ合うことすらままならないのだ。
愛しさが募るほどに虚しさがこみ上げてくる。
それが遠距離恋愛というものなのだろう。
それが本当の恋の証なのだろう。
悪魔と天使の顔を持つ『恋』という幻惑。
見えない未来への不安。

結末がわかっている物語ほど、つまらないものはない。

THE FIRST DAY

2005年5月3日 恋愛
それは偶然か必然か。
国籍も年齢も違う二人が一つのチャットルームで出会い恋をした。
男は日本人で17歳、女はアメリカ人で15歳。
二人は毎日のようにメールを続けている。
言葉の壁を乗り越えながら愛し合っているのだ。
未だ顔も見ていない二人。
東京からカリフォルニアという超遠距離恋愛。
高校生の二人にはどれほどの痛みだろうか。
会えない気持ちで恋焦がれ、常に相手を想像している。
いつか会えるかもしれないという希望を胸に抱いて。

いままでも。
そして、これからもきっと愛し合っていく。
そう心に、彼女に、自分自身に、誓いをたてた。
-S-

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